和紅茶と海外産の紅茶の違い

日本で流通している紅茶の多くは、海外から輸入したもの。
世界的に有名な紅茶の産地は、『世界三大紅茶』のインド・スリランカ・中国です。
国名を聞いてもあまりピンとこない方もいると思いますが、「インドのダージリンティー」「スリランカのセイロンティー」と言われたら、少しは耳にしたことがあるのではないでしょうか。
「和紅茶」はその名のとおり、日本で作られた紅茶を指します。
国内でも段々と紅茶を生産する茶園が増えていますが、日本ではお茶=緑茶というイメージが強いため、国内で紅茶が作られていることを知らなかった…という方もいらっしゃるかもしれません。

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「和紅茶」と「海外産の紅茶」の特徴

では、和紅茶と海外産の紅茶はどのような違いがあるのでしょうか。
それぞれの特徴について解説します。

インドやスリランカ産の紅茶は、香りや渋みが強い点が特徴です。味のコクや渋みを活かした飲み方が多く、砂糖やミルクを混ぜて楽しむのが一般的です。

  • ダージリン(インド):インド北東部のダージリン地方で収穫される茶葉。
    ダージリンはマスカットフレーバーと呼ばれるほどの爽やかな香りから、「紅茶のシャンパン」とも呼ばれています。渋みがあり、コクのある味わいが特徴です。
  • ウバ(スリランカ):スリランカのセイロン島南東部、ウバ地方で栽培される茶葉。
    強い渋みとコクがあり、飲むときに香るメントール系の爽やかな香りと水色の美しさが特徴です。

対して和紅茶(日本産の紅茶)は、全般的に渋みや苦みが控えめで、まろやかでほのかな甘みがあり、クセが少なく飲みやすい点が特徴です。
渋み成分であるタンニンは、熱帯地方などで強い日光を浴びることで多く作られます。
和紅茶の茶葉は日本の穏やかな気候風土の中で育つため、タンニン含有量は比較的少なく、渋みの少ないさっぱりとした味わいとなります。

和紅茶の多様性

海外産の紅茶も和紅茶も、基本の製造工程は同じです。
しかし、日本では生産する地域で気候の差があること、また生産者によって栽培方法や製法が異なることから、多彩な味わいの紅茶を楽しむことができます。
また、緑茶を多く生産する日本は茶葉の品種が多く、紅茶品種の「べにふうき」や緑茶品種の「やぶきた」などの品種による風味の違いを楽しむことができる点も魅力。
クセが少なく渋みが控えめと評される和紅茶ですが、作り手のこだわりにより「コクの深い紅茶」や「渋さを強調した紅茶」なども作られています。
砂糖やミルクを入れなくてもストレートで美味しくいただくことができ、日本の食文化に合った和紅茶ならではの優しい風味は、お菓子やスイーツと合わせるだけでなく、和食など食事との相性も抜群です。